こんにちは、共幻文庫編集の高波一乱です。

 今回は「恋するタブリエ」作者である浜野稚子(はまのわかこ)さんについて、少しだけ語ってみようかな〜と思います。



 皆さんはストーリーを楽しむうえで、何が一番大切だと思いますか?
 私はどれだけキャラクターに感情移入できるかが大事だと思っています。

 地球の裏側で、名前も顔も知らない人が死んでしまったとして、どれだけ悲しむことができるでしょう。 冷たい言い方にはなりますが、どうしたって「他人事」の域を出ませんよね。
 どれだけ大きな出来事であっても、それに直面する人物(キャラクター)があなたにとって重要な存在でなければ、その出来事(ストーリー)を楽しむことができません。

 その点において、浜野さんは感情移入のさせ方が非常に上手い作家さんです。
 特に「怒り」や「不快」「悲しみ」といった感情においては、 その理由を読者に共有させていないと置いてけぼりにしてしまうリスクがあるものですが、浜野さんはそこで真価を発揮されます。
 文章を追っていくうちに、いつの間にかキャラクターを理解していて、「幸せになってほしい」「がんばってほしい」とエールを送りたくなってくるのです。

 ここが浜野さんの大きな強みであり、魅力だろうと思います。

 恋するタブリエも、何かとんでもない事件が起こるような物語ではありません。
 大爆発が起こったり、誰かが死んだり、宇宙人がやってくるわけでもありません。
 ですが、キャラクターに寄り添ってその生き方を追っていくうちに、とても大きな感動と喜びに出会うことができました。  

 ぜひみなさんも、頼子と美奈、ふたりの仕事と恋の物語を追ってみてくださいね。

 このブログで、浜野さんが「恋するタブリエ」を描くきっかけとなった短編小説「恋の章の終わりに」を読むことができますので、興味のある方は見てみてください〜。

 それではまた!