「休みが合う人がいないから」と言い訳をしておりましたが、二十代中ごろの私には気軽に誘える友達があまりおりませんでしたし、彼氏もおりませんでした。

 浜野です。

 

 そんなわけで、何でも一人で楽しんでやろうと思っておりました。一緒に楽しめる人がいなかったから何も出来なかったとは意地でも言いたくなかったんです。

 

 カラオケやスポーツジム、映画、ボーリング、バッティングセンター、ビリヤード、ボルダリングジム、音楽教室、手芸教室、文章教室、エステ、釣り、海外旅行……。けっこう一人でも出来ることはありました。一人じゃない方が楽しかっただろうな、ということも多いですけど……。

ボルダリングジムに初心者一人って本当に寂しいですよ。動けなくて、低い壁に一人でセミみたいに貼り付いてるんです。あれはレッスンを受けてからの方がいい。

 

 レストランにも一人でよく出かけました。勉強も兼ねてフレンチとイタリアンに行くことが多かったですが、立ち食いの蕎麦とか並んで食べる餃子とか気軽なお店も。

 

もちろん誰かと一緒は幸せです。けれど、もしかしたらレストランというものを一番じっくり味わえるのは一人飯かもしれません。

 

 店の内装や家具、食器、カトラリー。料理を待つ間の時間に、店のこだわりをじっくり見ることができます。

BGMなど、誰かと話をしていたら気にとめなかったりするものも、一人なら耳に入ってきやすいものです。

好きな曲が流れていたりするとそれだけで自分とお店が合っているような気がしてうれしかったり。なぜこの曲? っていう選曲だとそれもまた考えるのが楽しく、お店の人に質問してみたりして。「あ、休憩時間にかけてた有線放送かけっぱなしでした。すみません」なんていうこともありました。

 

一人で食事に行くと、サービスの人の動きを見るのも楽しいです。

お店の人と話がしたい人なのかそっとしておいてほしい人なのかを感じ取って、お客さんによって対応をさりげなくかえていたりするのを見つけるとうれしくなります。言葉にされていないのに、タイミング良くお客さんの求めていることに応えられるサービスマンはカッコいいなぁと思います。

 

一人飯は、友達や彼、彼女と楽しむ食事とはまた違った楽しみです。

 

フランス料理一人飯なんて贅沢。子育て中のお母さんはおっしゃるでしょう。

「子供は連れていけますか?」

 子供連れで食事に行く時は、まずこれを確認しなければなりません。

「大丈夫ですよ」と言ってくれるレストランでも騒ぎ過ぎれば注意を受けますし、他のお客さんの迷惑にもなってしまいます。

これはレストランにとっても悩ましい問題です。

 

「子供」と言いましても、じっと椅子に座っていられる子もいれば好奇心旺盛で動き回りたい子もいて、大人顔負けに食欲のある子もいればメニューの中に食べられるものを一つも探せない子もいます。

 

 気をつかう必要がありそうなレストランへ食事に子供を連れて行く場合、その子がそのレストランで食事を楽しめるか子かどうかというのが重要ではないかと私は考えます。

 食べることが好きで、少し背伸びして静かに大人と同じものを食べられる子ならば問題ないですよね。

自分の子がそこで楽しく食事が出来るか、親である自分も子供と落ち着いて食事が出来るか。レストランに行く前に想像してみる必要がありそうです。想像して、親子で疲れて帰って来る姿しか思い描けないならば、その子をそのレストランに連れて行くのはまだ早いかもしれません。

 少しおしゃれして行くようなレストランで一緒に食事できるようになったら、「うちの子成長したな~」と感動するのでは? 当分の間フレンチなど連れていけない子供を持つ私はそんな期待をしています。

 

 お客さんが楽しんでレストランで食事が出来るように、お店は一生懸命考えています。一人でも、二人でも、大人数でも、子供連れでも、気持ちよくサービスを受けて食事が出来るように、お客の側でも考えてみると楽しいですよ。

 

 一人で食事に行く場合、チーズフォンデュのお店だけはお気を付けください。今までにたった一度だけ一人飯をお断りされました。チーズフォンデュは一人では楽しめないお料理みたいです。二人前からのご用意でした。……確かに、一人チーズフォンデュはちょっと寂しいですか……。挑戦される場合は事前にご確認を。